池田 敬正 著
福祉原論を考える


目次

はじめに
T福祉とはなにか
 一 福祉と人間の自由
 二 福祉認識における社会科学

U社会共同としての福祉実践
 一 生活における社会共同
 二 抑圧の構造と福祉支援
 三 自立と連帯の福祉実践
 四 福祉実践における愛他理念

V社会福祉の現代的形成
 一 市民社会の現代化と福祉国家
 二 集団主義と個別主義の統合
 三 普遍主義的サービスの展開
 四 21世紀に拡がる社会福祉

あとがき


冒頭抜粋
生活支援としての社会福祉 社会福祉とは、現代に成立する社会共同の一環としての生活支援である。このことは、現代における社会福祉が、人類史とともに拡がる社会共同の現代的編成にもとづく生活支援であると同時に、人間的規範としての愛他の近代的に形成される理念としての福祉(ウェルフェア)を内包する生活支援であることを示す。社会福祉が歴史貫通的な社会共同の現代的構造に基づくということは、その生活支援を、人類の始原以来の歴史的展開のなかに位置づけなければならないことを示す。と同時に社会福祉における福祉(ウェルフェア)理念の内在は、その生活支援を、人格的に独立した人とひととの関係に形式的に基づかせるだけでなく、それをすべてのひとに実質的なものとする関係に換骨奪胎することをもとめるものであった。あきらかに社会福祉は現代社会の制度であり、実践であるが、このことを科学的に理解するためには、その生活支援における歴史的展開の分析と生活支援を人格的平等の下で実現しようとする目的論の追求とを前提にしなければならない。したがって社会福祉の現代的理解とは、人類史における現代的展開としての理解と現代を超える規範的理念にもとづく理解とを統合することをもとめる。」


高菅出版HPへ